「トランペットを吹いてみたけど音が出ない」
「そもそもどこから手をつけて良いかわからない」
「持ち方は?音の変え方は?」
「とにかく今日、吹けるようになりたい」
1. トランペットを吹く前に用意するもの
必要なものはこの2つだけです!
簡単に紹介しますね。
もう知っているよ!という方は飛ばしても大丈夫です。
①マウスピース

マウスピースは口に直接つけて、音を鳴らすパーツです。
片付ける時は本体から外してケースにしまいます。
・極端にまがっていたり、へこんでいるものはやめましょう。

・トランペット用じゃないマウスピース
金管楽器それぞれにあうマウスピースがあります。
違う楽器用のマウスピースでは本体につけられません。
基本的にトランペット用のマウスピースであればどれでも大丈夫です。
有名なのは「YAMAHA」や「BACH」です。これがあればとりあえず安心ですね!
ノーブランド品でもとりあえず音は出せるので、慣れてきてから買い替えるくらいでOK!
どれでも大丈夫です!
「初心者用はこれ!」という記事や動画をよく見かけますが、
実は初心者のために作っているものではないんです!
別の記事で詳しく解説するので、とりあえず手元にあるもので十分です!
・金属
マウスピースの基本材質は金属です。
銀・金・ピンクと色々ありますが、ほとんどが表面のメッキの違いです。
金属のマウスピースがあればとりあえずOK!
・プラスチック
練習用のマウスピースとして、プラスチックや樹脂のものがあります。
安く手に入るので、他になければ最初はこれでも大丈夫です!
ただし、金属製のマウスピースより音も安っぽくなります笑
・木製
超マニアック!レアでかっこいい!
でもやっぱり金属ほどの重厚な音は出ません。
こんなのもあるんだ!程度に…
②トランペット本体
トランペットの仲間に「ポケットトランペット」「コルネット」「フリューゲルホルン」というものがあります。
どれでも吹き方と指づかいは一緒ですが、それぞれに合うマウスピースがあるので、
組み合わせだけ注意してください!

・トランペット
よく見かけるのがこのトランペット。
これがあればとりあえずOK!
・ポケットトランペット
トランペットを無理やり丸めて小さくしたもの。
可愛らしくて軽そうですが、頑張ってコンパクトにしたものなので、
ちょっと不安定さがあります。
マウスピースはトランペットと同じです!
・コルネット
ポケットトランペットに似ていますが、こちらはれっきとした楽器です。
イギリス・オランダ・ベルギーなどではトランペットよりもコルネットの方が主流だったり、初心者がこの楽器から始めたりします!
手の小さい人は、コルネットの方が持ちやすいかも?
※コルネット用のサイズのマウスピースが必要です!
・フリューゲルホルン
コルネットと系統が近く、柔らかい音が出る楽器。
名前に「ホルン」とついていますが、トランペットと吹き方や指づかいが一緒で、
基本はトランペット奏者が演奏します。
ジャズとかでよく見かけますね!
※フリューゲルホルン用のサイズのマウスピースが必要です!
最初はなんでも大丈夫!
学校や団体に備品があるなら、それを使いましょう!
なければ中古でもいいので買うか、借りましょう。
最近では音楽教室に入学するとプレゼントしてもらえるところもありますね!
・金属
マウスピースと同じで、トランペットも基本は金属です。
金色系でも銀色系でも大丈夫!
・プラスチック
最近はプラスチック製のトランペットも増えてきました。
割と性能もいいですが、やっぱり音が安っぽい…!
ダメということはありませんが、周りのみんなが金属だったら音が埋もれちゃうかも?
基本的に初心者用というものは「無い」と私は考えています。
YAMAHAなどの大手メーカーでは価格帯がいくつかあります。
このくらいの価格のものが初心者向け!という意見を聞くこともありますが、
「機能(できること)がシンプル」「軽めに作られている」というだけで、
音が出しやすいというわけではありません。
また、初心者が高価格帯・プロ仕様のものは扱えないということもありません!
ただ慣れないうちは、ぶつけたり落としたりする可能性も高いので、
そういう意味では高価格帯は怖いですね。。
(楽器の価格帯や比較については別記事で書きますね!)
2. マウスピースで音を出してみる!
トランペットを吹く前に、まずマウスピースで音を鳴らす3ステップをご紹介します。
マウスピースで音が出れば、あとはトランペットをつけるだけなので、
ここで順番にとりくんでみてください!
息の吹き方
自然な状態でくちびるでストローをくわえて、半分から2/3くらい縦に潰すような形が理想です。
実際にストローがあったら試してみてください!
(硬すぎる・小さすぎるストローだとわかりにくいです)
口を突き出したり、唇を巻き込むと音を鳴らすのが難しくなります。


先輩や他のWebサイトから「アパチュア」という言葉を耳にするかも知れません。
簡単にいうと、息を通すために空いた唇の隙間のことを指します。
プロでもシビアに研究・調整するようなものです。
ただ音を出す今の段階では、考えすぎると逆に鳴らなくなってしまうかもしれません。
初心者は「ふーん、そんな言葉があるんだ」くらいに思っておいて問題ありません。
アパチュアを含めた、音を鳴らすための口全体の形と筋肉の使い方です。
このアンブシュアについても初心者向けの記事などで見かけますが、
たくさん吹いて慣れてきたら、自然とアンブシュアが形成されていきます。
考えるのはそれからでいいので、まずはただ楽しく自由にトランペットを吹きましょう!
(取り返しのつかないことになる、なんてことありませんから!)
自然な唇の形に合わせて、横にちょっと広がった、優しい楕円形のイメージです。
息の形をまん丸にする必要はありません。
最も大切なことは「唇を振動させるために息を出す」という目的を忘れないことです。
息はスムーズで、強弱を調整できる柔軟性を持っていることが理想的です。
結論から言うと、最初はいらないと考えています。
まず、「腹式呼吸にしたら上手くなった!」という声を聞いたことがありませんし、
「こういう音を出したい!」とイメージを持って練習しているうちに、身体が自然に『腹式呼吸のエッセンス』を取り入れていくものです。
逆に100%腹式呼吸でも限界があります。
プロは無意識的に、どれくらいの音域や音量で吹くのか、
優しい音なのか鋭く輝かしい音を出したいのか、
それによって自然に使う割合を変えているものです。
唇を振動させて音を出す
ハーモニカやリコーダーのように、トランペットも息を吹き込んで鳴らす楽器ですが、
実はただ息を吹き込むだけでは音は出ません。
唇をブルブルと振動させる必要があります。
💬 リコーダーやハーモニカは楽器の中に「音が鳴る仕組み」が作られていて、息を入れるだけで音が鳴るんだ。でもトランペットにはそれがないから、代わりに唇を震わせて音を出すんだね!
唇の震わせ方は、赤ちゃん先輩に教わりましょう。
赤ちゃんが唇をぶーぶー鳴らす動画
赤ちゃんが唇をぶーぶー震わせているのをみたことがあると思いますが、
それを小さいマウスピースの中でやるだけです!
最初は
・めっちゃツバが飛ぶ…!
・めっちゃ汚い音が出る…!
と恥ずかしくなるかも知しれませんが、
どんなに上手な人も最初はここから始まりました!
3ヶ月もすれば慣れてきて音が良くなってくるので、
それまでは思い切ってブーブー鳴らしましょう!
無理やり唇を震わせない方がいい、という記事や動画をよく見かけます。
確かに理想の鳴らし方ではありますが、
私個人の意見では、トランペットを吹けるようになってから半年〜1年、
あるいはそれ以上経って考え始めるくらいでいいと思います。
理由は3つ。
1. 歩いたことのない赤ん坊にモデル歩きさせるようなもの
2. トランペットを吹くことに慣れてきて、必要な筋肉がつき、脳が鳴らすことを覚えてきてから効率化する方がいい
3. 音が自然に出るまで何十分・何時間も待ち続けるより、最初はとにかくたくさん吹いて「楽しむ」ことが最優先!
つまり、最初から目指すものではありません。
私は3年くらい経って、なんとなく掴めてきた記憶があります。
トランペットを吹く感覚を脳に覚えさせてから取り組めば、
その時からでもできるようになります!
まずはマウスピースを口に当てる前に、このぶーぶーを伸ばしましょう!
目標は4秒!
余裕があれば「息の吹き方」でご紹介した、楕円形の息をちょっと意識してください。
頑張ってキープしてみましょう!
マウスピースを当てる位置
唇を震わせて伸ばすことができたら、いざマウスピースで音を出します!
ではマウスピースをどうやって、どんなふうに口に当てるのかを具体的にご紹介します。
💬 トランペットで直接音を出すのではなく、マウスピースで音を出してからトランペットに取り付けるよ。だからマウスピースで音を出すことがとっても大事なんだ!
マウスピースを唇に当てると、最初は歯とマウスピースに挟まれて、唇に強い圧力を感じると思います。
ここで注意するのは、唇に圧力がかかった時に「極端に痛くない」ところで吹くことです。
トランペットの初心者向け教則本として元もメジャーな「アーバン 金管教則本」には、
『マウスピースを当てる割合は上唇1/3:下唇2/3』というような記載があります。
ただこれは参考程度にするくらいで大丈夫です。
真ん中よりちょっと下に当てると吹きやすい場合が多いですが、色々と試してみて、鳴らしやすい場所を探してみましょう!
(ちなみにホルンは逆で『上唇2/3:下唇1/3』と記載があります)

咥えない
マウスピースを深く咥え込まないようにしましょう。
突き出さない
唇を突き出して吹かないようにしましょう。
マウスピースを当てる角度(=トランペットを構える角度)は、
人それぞれ歯並びによって変わってきます。
・角度
大きく分けて、上向き・水平・下向きの3つがあります。
一般的には水平よりほんのちょっと下向きの人が多いですが、
自分に合った角度を見つける方法をご紹介します!
1割り箸を用意する
2柄の部分(太い方)を咥えて唇を閉じる
そのときの自然に咥えた箸の角度が、自分に合ったマウスピースの角度だったりします。
この角度に近いところで、痛くないところで吹きましょう!

・左右
左右対称、ピッタリど真ん中が理想!ということはありません。
目安としては、先ほど箸を加えた口や歯の形から、箸を抜いてそのまま息をフーと吹き、
一番息が多くでている、スピードが早いところを真ん中にするといいです。
もしマウスピースを当てた時に極端に痛いようでしたら、
ちょっとずらして痛くない場所を探してください!
✨ マウスピースで音が出たら、あとは楽器をつけるだけ!
8〜9割はもうクリアしたようなものです!
3. トランペットの持ち方!
トランペットを吹く前に、どうやって持つかを解説します。
マウスピースで音が出たので、あとは楽器をつけて持って吹くだけ!
トランペットのパーツを紹介しながら、
どう持てばいいのかを写真付きで解説します!
トランペットのパーツ紹介

トランペットの持ち方
- 親指 – 1番管の前のフックやリングにかけます。(なければ管に直接添えます)
- 人差し指 – 3番管に直接添えます。
- 中指 – 3番管に直接添えます。
- 薬指 – 3番抜き差し管のリングにかけます。
- 小指 – 3番管抜き差し管の下に添えます。

基本はこの形ですが、人によって多少の違いがあっても大丈夫です!
- 親指 – 1番管に添えます。左手の親指より上の、キャップの部分に添えます。
- 人差し指 – 1番ピストンの上におきます。
- 中指 – 2番ピストンに上におきます。
- 薬指 – 3番ピストンに上におきます。
- 小指 – フック(またはリング)に指をかけます。
左手に比べて、右手の持ち方はほぼ一択です。
深く握らずに、人差し指から薬指はできるだけ指先をおくようにします。

右手は音を変えるために、ピストンを素早く押したり離したりする必要があるので、
基本は左手でトランペットを支えて、右手は少し軽く添える程度が理想です!
左手6:右手4や、左手7:右手3くらいの割合で支えられるといいですね!
4. トランペットを吹いてみる!
さぁ、トランペットの持ち方が分かったら、いよいよ音を出してみましょう!
まずは1音出してみよう!
マウスピースを付けて、トランペットを持って、音を出してみてください!
もしここで、「息が入らない」「音がならない」ということがあったら、
ちょっと下にスクロールして「音が出ないときに試す3つの対策」を読んでください!
音を伸ばしてみよう
音が出たら、その音を伸ばしてみましょう!
一つの音を伸ばすことを「ロングトーン」といいます。
(Long=長い tone=音)
目標は4秒!
10回くらいやると、ちょっといい音が鳴るポイントを見つけられるかも!?
このロングトーンは全ての基本です!
音が出ないときに試す3つの対策
トランペットのピストンの向きや順番が間違っていると、息が入らなかったり正しく音を鳴らすことができません。
ピストンのキャップを外して、上に引き出してみてください。
それぞれのピストンに番号が書かれています。
番号がマウスピース側に向くように、手前から1, 2, 3の順番で差し込んでください。
音を出さずに息だけ入れて、どのピストンを押しても全部息が通るようならOKです!

マウスピースで音を鳴らせたら、トランペットをつけた時にも音が出ます。
もう一度マウスピースで音を出す練習をしてみてください!
トランペットは3つのピストンだけでいろいろな音を出します。
そうすると、何も押さない状態でも複数の音を出せるのですが、
その幅が低音ほど広く、高音ほど狭くなります。
もしかしたら音と音の間を狙っているのかもしれません。
息の量やスピードを増やしたり減らしたりして、鳴らしやすい場所を探してみてください!
5. 音を変えてみる!
ピストンの押さえ方と音が変わる仕組み
トランペットは管が長くなると音が低くなり、短くなると高くなります。
ピストンを何も押さない状態が一番短く、ピストンを押すと息の通り道が長くなって、
音が低くなります。
- 1番ピストン:長さ2 = 1音分
- 2番ピストン:長さ1 = 半音分
- 3番ピストン:長さ3 = 1.5音分
のように、長さ0(何も押さない)から長さ6(全部押す)までの組み合わせで音を変えていきます!
トランペットのピストンは、「完全に押す」か「完全に離す」ことを意識してください!
特に薬指は力が弱いので、最後まで押し切らないで吹きがちです。

音域を少し広げるコツ
最初は長さを1ずつ増やしていくとやりやすいです!
長さ0から長さ1までの距離を増やすのと、長さ6まで一気に増やすのでは、
急に6段飛ばしで階段をのぼる(おりる)ようなものです。
・何も押さない(長さ0) → 2番ピストンを押す(長さ1)
・2番ピストンを押す(長さ1) → 1番ピストンを押す(長さ2)
・1番ピストンを押す(長さ2) → 1番と2番ピストンを押す(長さ2+1 = 3)
というように、ちょっとずつ長さを増やしていくと、
音もちょっと(半音)ずつ下がっていきます。
下がってからまた順番に上がってみましょう。
この時の音が変わる感覚と息の流れを意識しましょう!
最初に覚える簡単な音階(ドレミファソ)
簡単な音階の指づかい表(=運指表:うんしひょうといいます)がこちらです。
音が変わる感覚を掴んだら、ぜひ挑戦してみてください!
【チャレンジ!】曲を吹いてみよう!
Level 1 ちょうちょう
簡単な曲から始めてみましょう!
Level 2 聖者の行進
「聖者の行進」演奏例(YAMAHA公式)
Level 3 ジングルベル
レベル3に挑戦!
🎺 1日目でここまで吹けたらかなりすごいです!
あなたの好きな曲、吹いてみたい曲があったら、
それを目標にして、楽譜に指番号を書いて練習してみましょう!
好きな曲を目標にするのが上達の一番の近道です!
6. まとめ
この記事ではトランペットの吹き方の、最初の入り口をお伝えしました。
トランペットは音を出すのがとても難しい楽器です。
音が出せたら、細かいことは気にせず、自由にどんどん吹きましょう!
吹いているうちに「ああしたい」「もっと上手く吹きたい」という欲が出てくるので、
最初はとにかく音を出すことに慣れることが大事です!
🎵 この記事があなたのトランペット人生の第一歩になれば嬉しいです!
楽しんで練習を続けてくださいね!
🎺 さあ、今日からトランペットを始めましょう!
わからないことがあったら、何度でもこの記事を読み返してくださいね。





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